#4 プレゼンしたい企画の「前提」を刷り込む
通らなかった企画書から、 失敗のエッセンスを学び、
「通る企画書に必要な要素」を学ぶ、
もっと若い時に知っていたかったバカ売れ企画のなぜ。
#4の題材は「話ベタ王決定戦」です。
この企画は、フジテレビに提出しました。
では、企画書として何がダメだったのか? という目線で改めて紐解きます。
まず1枚目。
「芸能界イチ話が下手な人は誰か?をトーナメントで決める」と ありますが、
いきなり「システム」から紹介しています。
まず、これがNG。
読み手としては、一体なぜ!? となってしまいます。
ここで欠けているのは、
この企画をやるべきだという 「前提」のプレゼンです。
「すべらない話」という企画が大ヒットしている!
▼ その一方で、話下手なタレントもたくさんいる。
▼ 彼らの下手さたるや、爆笑の渦に巻き込むことは確実!
▼ ならば、そんな新しい価値を提供する番組を作ってはどうか!?
という、 この企画の発端である思想からプレゼンしなければ 魅力的でないし、
この企画書を読む意味もわかりません。
つまり、 前提を打ち出すことで、
「ほほう、なるほどね」 と思わせること=掴むことが大切です。
そしてもう一つ、 前提を強化するために加えたいのが…
読み手にとって身近な感じを出す こと。
これも武器になります。
具体的には…
あなたの周りにも話し下手な人はいませんか?
そんな人にイライラした経験はありませんか?
この企画は、そんな人たちを 「話しベタさ」という定規で切り取り、
その話ベタさを笑っていこうという 「話ベタのバトルロワイヤル」!なのです。
という打ち出しをして、
「なるほど、 そいつらを笑うのは 面白かもね」と 思わせられれば、
読み手を味方につけることができます。
という前提があった上で、 次にシステム説明!
といきたいところですが、その前に。
さらにもう一つ、 読み手をワクワクさせる手段として有効なのが、
「この企画の見所のまとめ」。
つまり、この企画の面白みを ヘッダー的に紹介しておくべきです。
この企画を実際に制作すると どんな面白さがあるのか?を
明確に、箇条書きにします。
例えば。
見所①:芸能界きっての話ベタの、はちゃめちゃで、
焦りながら一所懸命語る姿に爆笑!
見所②:それを真面目に聞いてる周りの話下手たちを見て
さらに笑える!
見所③:話ベタという不名誉なゲームでどんどん勝ち上がる
不満そうな芸能人の姿に笑える!
こんな「見所」を短く理解してもらってから、
その具体的なやり方は…という順番で 大会のルールや、
判定方法のプレゼンへ移れば 読み手側の理解もスムースです。
まとめると、
「この企画を今、やるべき理由」から、
「この企画の新しさ」へつなげて、 読む人の興味を引きつつ、
企画の前提や思想を伝える。
さらに、読む人にとって 身近である感じをプラスできれば望ましい。
それらを理解したところで すぐさま
企画の見所を3つほど、 短くたたみ掛ける。
この「見所」を鋭く深く刺すために、
そこへと導く第一歩= 前提の説明が 重要なポイントとなるのです。
企画書を書く方は、 書くまでに何度も推敲を重ねているので
前提を知ってる状態で書いています。
しかし読む側は、初めて。
そこを忘れずに、大事な前提を理解してもらえるように、
かつ面白い!と思ってもらえるように書くことがポイントです。