もっと若い時に知っていたかったバカ売れ企画のなぜ

流用すれば発想のヒントに?! 帰国子女でコネなしで業界に入り込み、20年間やってきた放送作家が分析した「採用されている企画」のポイント

#4 プレゼンしたい企画の「前提」を刷り込む

通らなかった企画書から、 失敗のエッセンスを学び、

「通る企画書に必要な要素」を学ぶ、

もっと若い時に知っていたかったバカ売れ企画のなぜ

 

#4の題材は「話ベタ王決定戦」です。

 

この企画は、フジテレビに提出しました。

では、企画書として何がダメだったのか? という目線で改めて紐解きます。

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まず1枚目。

「芸能界イチ話が下手な人は誰か?をトーナメントで決める」と ありますが、

いきなり「システム」から紹介しています。

 

まず、これがNG。

読み手としては、一体なぜ!? となってしまいます。

 

ここで欠けているのは、

この企画をやるべきだという 「前提」のプレゼンです。

 

「すべらない話」という企画が大ヒットしている!          

▼ その一方で、話下手なタレントもたくさんいる。          

▼ 彼らの下手さたるや、爆笑の渦に巻き込むことは確実!          

▼ ならば、そんな新しい価値を提供する番組を作ってはどうか!?

 

という、 この企画の発端である思想からプレゼンしなければ 魅力的でないし、

この企画書を読む意味もわかりません。

 

つまり、 前提を打ち出すことで、

「ほほう、なるほどね」 と思わせること=掴むことが大切です。

 

そしてもう一つ、 前提を強化するために加えたいのが…

 

読み手にとって身近な感じを出す こと。

これも武器になります。

 

具体的には…

あなたの周りにも話し下手な人はいませんか?

そんな人にイライラした経験はありませんか?

この企画は、そんな人たちを 「話しベタさ」という定規で切り取り、

その話ベタさを笑っていこうという 「話ベタのバトルロワイヤル」!なのです。

という打ち出しをして、

「なるほど、 そいつらを笑うのは 面白かもね」と 思わせられれば、

読み手を味方につけることができます。

 

という前提があった上で、 次にシステム説明!

といきたいところですが、その前に。

 

さらにもう一つ、 読み手をワクワクさせる手段として有効なのが、

「この企画の見所のまとめ」

 

つまり、この企画の面白みを ヘッダー的に紹介しておくべきです。

 

この企画を実際に制作すると どんな面白さがあるのか?を

明確に、箇条書きにします。

 

例えば。

 

見所①:芸能界きっての話ベタの、はちゃめちゃで、

    焦りながら一所懸命語る姿に爆笑!

 

見所②:それを真面目に聞いてる周りの話下手たちを見て     

    さらに笑える!

 

見所③:話ベタという不名誉なゲームでどんどん勝ち上がる    

    不満そうな芸能人の姿に笑える!

 

こんな「見所」を短く理解してもらってから、

その具体的なやり方は…という順番で 大会のルールや、

判定方法のプレゼンへ移れば 読み手側の理解もスムースです。

 

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まとめると、

「この企画を今、やるべき理由」から、

「この企画の新しさ」へつなげて、 読む人の興味を引きつつ、

企画の前提や思想を伝える

 

さらに、読む人にとって 身近である感じをプラスできれば望ましい。

 

それらを理解したところで すぐさま

企画の見所を3つほど、 短くたたみ掛ける

 

この「見所」を鋭く深く刺すために、

そこへと導く第一歩= 前提の説明が 重要なポイントとなるのです。

 

企画書を書く方は、 書くまでに何度も推敲を重ねているので

前提を知ってる状態で書いています。

しかし読む側は、初めて。

 

そこを忘れずに、大事な前提を理解してもらえるように、

かつ面白い!と思ってもらえるように書くことがポイントです。