もっと若い時に知っていたかったバカ売れ企画のなぜ

流用すれば発想のヒントに?! 帰国子女でコネなしで業界に入り込み、20年間やってきた放送作家が分析した「採用されている企画」のポイント

#3 ⚪️⚪️を意識するだけでグッとパワフルな企画書になる

通らなかった企画書から、 失敗のエッセンスを学び、

「通る企画書に必要な要素」を学ぶ、

もっと若い時に知っていたかったバカ売れ企画のなぜ

 

#3の題材は「100万円ランナー」です。

 

これはフジテレビの特番募集に出した企画書です。

賞金100万円を目指し、

50人の芸能人が 東京から大阪を大移動する というレース企画です。

 

ルールは、2人1組、

所持金10万円 指定されたチェックポイントを通ること

さらに 足切りランナーが追いかけてくる恐怖感。

 

芸能人がレース中に、 街中で一般人に名前を呼ばれたら、

所持金からマイナス1万円 と、負荷を高めるルールもあり、

実際にやったら面白そうです。

 

では、企画書として何がダメだったのか? という目線で改めて紐解きます。 スクリーンショット 2015-05-16 10.54.04.png スクリーンショット 2015-05-16 10.54.30.png

 

まず、表紙と2枚目で 書いてあることに大差がない。

 

2枚目にあることは、表紙に集約できます。

 

例えば表紙のタイトルに、

サブタイトルとして 50人の芸能人が東京から大阪を一斉移動!

などとすれば、この2枚目は不要になります。

 

やりがちなのが、このように

「数ページにわたり、 被った情報を書いてしまう」こと。

 

これだと 「どんどん先を読みたくなる感じ」に ブレーキをかけてしまうので、

読む側としては、「さっき読んだよ、それ」となり、

同じことを読まされている感じがして、 ワクワク感が削がれてしまいます。

 

さらに3枚目と4枚目も、1枚に集約できます。

 

スクリーンショット 2015-05-16 10.54.58.png スクリーンショット 2015-05-16 10.55.07.png

 

読み手にとって、ここでの新情報は

「移動手段はなんでもあり」(3枚目 番組テーマは〜)

「移動ルートもなんでもあり」(4枚目 展開案) という2点のみ。

 

イラストを使って書いてありますが、

わざわざ2枚にわける必要もありません。

 

ここも重複していることで、 読み手の心にブレーキをかけています。

 

5枚目も、4枚目と全く同じことを言っているだけ。

なので、これは絶対にやめるべきです。

 

スクリーンショット 2015-05-16 10.55.15.png

 

つまり 3、4、5枚目は 1ページに集約できます。

 

さらに 6枚目の「足切りランナーが襲いかかる」

7枚目の「芸能人は、自分の名前を呼ばれたらマイナス1万円」 というルールも、 「レースをさらに面白くする施策」として 1枚にまとめることができます。

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まとめると、 1枚目=表紙では

「100万円獲得を目指し、

50名の芸能人が東京から大阪へ移動する大レース」

という企画であることを伝える。

 

2枚目では 「移動手段、移動ルートは自由」 というルールであることを伝える。

 

3枚目では そのレースをさらに面白くする施策として

足切りランナーが襲いかかる」

「芸能人は、自分の名前を呼ばれたらマイナス1万円」 というルールがある

 

7枚もかけて説明していたことが わずか3枚に集約できます。

 

このように整理したほうが、 読み手にとってはわかりやすい。

誰が、どこで、何を、 どのように、どんな面白さがある企画なのか?

これが3枚目までにわかるということがとても大切です。

 

企画を採用する側の人は、 毎日いくつもの企画書を読んでいます。

 

とすると、 いちいちきっちり読んでなんていられません。

 

つまり3枚目までで、

この企画がありか、 なしかを判断しやすくすることが、

書く側が配慮すべきポイント なのです。

 

4枚目以降は、 補足的に加えたい情報を入れてもいいかもしれません。

例えば、ネタの列挙やリサーチでわかった詳しい情報などです。

 

でも、読み手=採用側が そこへたどり着く前に、

誰が、どこで、何を、 どのように、どんな面白さがある企画なのか? が

わかっていないと、 それも無駄になってしまいます。

 

「勝負は表紙を入れて3枚目まで」。

これを意識して書くだけで、 グッとパワフルな企画書になります。